3種類の炭水化物 (バレイショデンプン, グルコース, セルロース) を過熱水蒸気中で炭化させ, その炭化特性と炭化速度を検討した.試料内部への伝熱速度の影響をできるだけ少なくするために, 試料を微粉末状にして実験に供した.炭化は, 498K (225℃) から548K (275℃) の温度範囲で行った.バレイショデンプンは, 225℃付近で溶融・膨化し, 泡立ちながら炭化が進行した.グルコースは, 処理後数分で溶融・膨化し, 泡立ちながら炭化した.これに対してセルロースは, 溶融することなく, 粉末状態のまま炭化した.各試料の炭化速度は, 一次反応速度式に従い, 速度定数から求めた炭化の活性化エネルギは133~167kJ/molの範囲であった.この値は, 窒素ガス中でのデンプンとセルロースの熱分解の活性化エネルギとほぼ同じであった.