農産廃棄物の一例として大麦わらを原料とし, 160~280℃の加圧熱水中での可溶化・糖化特性について調べた.その結果, 可溶化・糖化特性は220~240℃で大きく変化することが確認された.すなわち, 220℃以下では, 可溶化速度は, 処理温度が高くなるにつれて速かったが, その収率は55wt%付近で一定となった.また得られた可溶化物中にはアラビノース, キシロースおよびキシロオリゴ糖などのヘミセルロース加水分解物が得られていた.一方, 240℃以上では, 可溶化物収率は, 55wt%に留まらず, 増加し, 280℃においては, 95wt%が可溶化物として回収された.また, 得られた可溶化物中には, 220℃以下での生成物に加えグルコース, セロオリゴ糖などのセルロース加水分解物が得られていた.