種々の食品酵母株のスクリーニングテストによって, Candida utilis NBRC1086がローカストビーンガム (LBG) 培地で生育できることが明らかになった.C.utilisは, 0.5% (w/v) LBG, 0.3% (w/v) (NH4) 2SO4, 0.02% (w/v) MgSO4・7H2O, 0.01% (w/v) Yeast extract, 0.15% (w/v) NaH2PO4, 0.1% (w/v) KH2PO4を含むLBG培地 (pH5.0) で, 24時間培養された.また, C.utilis は, 培地中にβ-マンノシダーゼを生産することによってLBG (300kDa) を短鎖LBG (120kDa) に分解していた.各々のLBGは, ゲルろ過クロマトグラフィによって分離された.短鎖LBGの単一性はペーパークロマトグラフィとGPC分析によって確認された.短鎖LBGの酸加水分解物のマンノースとガラクトース比は, 2.8: 1であった.精製した短鎖LBGは, 50μg/ml濃度で高い凍結保護活性 (100%) を示し, LBGやマンナンおよび他の糖よりも高い活性であった.この凍結保護活性は乳酸脱水素酵素とアルコール脱水素酵素に特異的であった.精製短鎖LBGのCP50は, 8.3×10nMであり, この値は牛血清アルブミンの約5分の1であった.また, 精製した短鎖LBGは, 冷凍液卵を安定化させることも確認できた.我々は, 短鎖LBGが多様な冷凍食品に対して凍結保護剤の可能性をもっていると期待している.