失行失認,とくに肢節失行,視覚失認等においては,対象に関する意味記憶との結びつきを目標として,認知モデルにもとづいた促通および学習の経路を確保することによって障害の改善がもたらされる。また,失行失認例における実生活上の問題点を調査すると,従来考えられていた以上に多様な生活障害が生じていたが,一方で適応への対応もなされていた。このような生活障害に対する対策および援助は十分有効であった。