高次脳機能障害支援モデル事業は,高次脳機能障害をもつ者に適切な医療·福祉サービスを提供することにより,社会的に自立した生活を送ることができるようにするための支援体系を整備する試行事業であった。5 年間にわたり集積された外傷性脳損傷,脳血管障害,低酸素脳症などを原因疾患にもつ 424 名の症例の集約分析とサービス提供の実践を通じて収集された詳細な調査結果に基づいて,「高次脳機能障害診断基準」「高次脳機能障害標準的訓練プログラム」「高次脳機能障害標準的社会復帰·生活·介護支援プログラム」が作成された。これらにより,行政的に高次脳機能障害者としてサービスを受ける対象者が明確にされ,社会復帰のために必要なサービスの提供方法が具体的に示された。今後は,障害者自立支援法の施行により一般施策としてこれらを用いた支援サービスの提供が全国的になされる。