失語症者の言語症状に対する awareness について検討した。対象は音声言語表出と聴覚言語理解に障害を呈する失語症例 21 例。聴覚言語理解障害,音声言語表出障害に対して awareness の有無について interview を行い,これを 3 段階に評価した。客観的言語評価として SLTA を施行し,音声言語表出項目 30 点と聴覚言語理解項目 30 点を抽出し,加えて全例に知能検査として Raven 色彩マトリックス検査を行い,統計的分析を試みた。結果,awareness と障害重症度や知能との間には有意な相関を認めなかった。統計的検定の結果,言語表出に対する awareness より言語理解に対する awareness のほうが有意に損なわれやすい傾向が認められた。