地域在住の 75 歳以上高齢者 200 名を対象に, アパシーの有症率を求め, アパシーを有する軽度認知障害 ( Mild Cognitive Impairment : MCI) 高齢者の神経心理学的特徴抽出を行った。検査完遂者は189 名で, 健常 ( Clinical Dementia Rating : CDR 0) 群52 名, MCI ( CDR 0.5 ) 群 108 名, 認知症 (CDR 1 +) 群29 名であった。アパシーは日本高次脳機能障害学会作成の標準意欲評価法の面接による意欲評価スケール ( CAS 1 ) にて評価した。結果, 高齢者全体の 54.5 %でアパシーを認め, 健常群, MCI 群, 認知症群の順にアパシーが多くみられた。健常群と MCI 群の比較では, 記憶で有意な CDR 効果を認めたがアパシー効果は認めなかった。二次解析で CAS 1 と WMS-R 論理的記憶 I が有意に相関し, MCI 高齢者のアパシーと encoding との関係が示唆された。