山陰沿岸の京都府久美浜町周辺, 島根県桂島周辺の2地域で採取した生海藻58種 (緑藻7種, 紅藻23種, 褐藻28種) のカロチンとビタミンCの含有量を測定し, あわぜて両者の相互関係について考察した。結果は次のとおりである. 1) 生海藻のカロチン含有量の著しく多い種類は, アサミドリシオグサで7,000μ9/1009以上含まれる.著しく少ない種類は, イソムラサキ, カギウスバノリで10μg/100g以下であり, 海藻の種類により含有量にかなりの開きがあった.600μg/100g以上のものは58種中51種であった. 2) 生海藻のビタミンC含有量の著しく多い種類は, オオバモクで500mg/100g以上含まれる。著しく少ない種類は, フサイワヅタ, ベニモズクで3mg/1009以下であり, 海藻の種類により開きがあった.20mg/100g以上のものは58種中39種であった. 3) 緑藻と紅藻については, カロチン含有量とビタミンC含有量との間に, 正の相関が認められたが, 褐藻については, 全体としての相関が認めにくかった. 4) カロチン・ビタミンCともに多く含まれる海藻は, アサミドリシオグサ, ババノリ, コモングサであった.