本研究の目的は, 中学生における内発的な学習動機づけと同一化的な学習動機づけの学業成績に対する影響の相違を検討することであった。特に, メタ認知的方略との関連に着目し, 学業成績に対する影響の相違について, 本研究では, 以下の仮説を立てた。それらは(1) 内発的な学習動機づけは学業成績を予測しないのではないか, (2) 同一化的な学習動機づけはメタ認知的方略を介して学業成績を予測するであろう, であった。研究1では自己決定理論に基づく学習動機尺度が作成され, 尺度の信頼性と妥当性が確認された。研究2ではパス解析により因果モデルが作成され, 仮説が支持された。本研究の結果より, 学業成績に対する同一化的な学習動機づけの重要性が示唆された。