色と図形をランダムに一対ずつ組合わせたものを用いて, そして色を手がかりにして弁別学習を次のような言語強化の組合わせのもとに, 精神薄弱児群, 幼児群および児童群におこなわせた。言語強化の組合せは次の3つである。 (1) 正反応に対して 正しい といい, 誤反応に対してなにもいわない (RN群),(2) 正反応に対してなにもいわず, 誤反応に対しては まちがい. という (NW群),(3) 圧反応に対して 正しい といい, 誤反応に対してまちがいという (RW群) 。10試行を1ブロックとして, 1ブロックが連続正反応の場合に習得水準に達したとみなし, 50試行消去をおこなつた。 その結果, 学習不能者は精神薄弱児共に最も多く, 児童には皆無であり, またRW群に最も多かつた。RW条件は速い学習者と遅い学習者および学習不能者とに, 学習者を2分するようであつた。またRN条件下では児童群の学習が速く, 条件下では幼児群の学習が速かつた。消去過程からRN, NWにおけるNの効果をみると, 幼児群や児童群においては, Nはそれぞれマイナスとプラスの強化値をもつが, 精神薄弱児群においてはそれが弱く, とくにNWにおけるプラスの強化値はわずかであった。 また誤反応率からみて両群の学習過程に違いがあるように思われた。すなわち, 精神薄弱児群は習得の後期になつてすみやかに学習がなされるようであるが, 幼児群および児童群では直線的に学習がなされるようであつた。