ここ報告する実験は大別して2つの部分より成っている。1つは図形構成課題における教示の効果, 他は文字・数字・図形系列の規則性発見課題における教示の効果についてである。教示の効果は単に言語的に与えられるよりも類似の課題における経験を通じて与えられる場合の方が有効であると考えられるが, この点にっいても同時に検討した。さらにとの問題を発達的な観点から検討するために, 小学校6年生と中学校2年生について実験をおこなつた。これらめ実験の結果を要約するとつぎのようになる。 1.一般的な傾向として, 課題解決に関する言語的教示は, 図形構成, 規則性発見両課題において積極的効果を示した。練習課題と解決過程吟味の機会を与えられた場合, 教示の効果は促進される。 2.図形構成課題におけるよりも規則性発見課題において教示の効果は大であった。, この結果は教示が課題の要求する心理学的機能に見合つたものである場合に教示の効果が現われることを示すものと解釈された。 3.図形構成, 規則性発見両課題において, 教示の効果は中学2年生の被験者群においては小学6年生におけるよりも減少する傾向がみられた。また1規則性発見における教示の効果を系列別にみた場合, 中学生被験者群においては教示が必ずしも積極的な方向に作用してはいない。ここに発達的要因の複雑な影響が考えられる