この研究は, 児童の生命認識の発達過程と手がかりとの関係を究明することを目的としたものである。4~8才児52名を対象に, 面接法によって, 7つの刺激物につき, その生命の有無と, さらに生命有無の手がかりとなる9種の属性や行動特性をたずねた。 その結果, 年少児では知覚されやすい手がかりによって生命有無を判断する傾向があり, 7・8才になると, 正しい手がかりが強化されて, 生命とその手がかりとの関係が確立されてくることが見出された。従来は, 動くとか活動するという手がかりがアニミズム説の中心になっていたが, 児童は生命有無の手がかりとして, もっと多くの属性や行動特性を観察していることも明らかにされた