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文章基本信息

  • 标题:児童の位置関係の理解
  • 作者:田中 芳子
  • 期刊名称:教育心理学研究
  • 印刷版ISSN:0021-5015
  • 电子版ISSN:2186-3075
  • 出版年度:1968
  • 卷号:16
  • 期号:2
  • 页码:87-99,124
  • DOI:10.5926/jjep1953.16.2_87
  • 出版社:The Japanese Association of Educational Psychology
  • 摘要:

    らだけ見ることによって, それを他方向から見たらどう見えるかを予想するという課題をとおして, 位置関係の相対性の理解の発達と, 課題の困難度を規定していると思われる条件について検討した。ここで, 実験I, IIの結果をあわせると, 次のことが考えられる。 位置関係の相対性の理解は, ある時期に, いちどにできあがるものでなく, 長い期間にわたって発達していく。そのさい, 求められている課題や, 課題の次のような条件によって, 発達的ずれがみられる。 変換前と変換後の位置関係については, 要素が2つのときでも3つの時でも, 変換の困難度は, 変換後の要素の状態によって規定される。変換後に前後関係になる方が, 左右関係になるよりも正反応しやすい。要素2つでの1次元的課題の場合には, 変換前に前後か左右かということで, 困難度は変わらないのに対し, 要素3つの2次元的課題を, 1次元ずつ分析すると, 前後から前後, 左右から前後, 前後から左右, 左右から左右の変換の順に, 変換が容易であり, 変換前の状態による差がみとめられる。また, 2次元的課題の場合には, 前後から前後と, 左右から左右の次元内変換では, 両変換の正反応の間の差が非常に大きくなるのに対し, 前後から左右へ, 左右から前後への次元間変換の間の差はそれほど大きくはない。 誤反応の分析や子どもの反応の観察から, 前後関係の手がかりが左右関係の手がかりよりも用いられ考えられる。左右蘭係では2つの要素の知覚的比重は対やすいと等であるのに対して, 前後関係の場合は, 人形と, 人形のすぐ前にある要素とが知覚的にも結びつけやすく, 人形の位置からの関係づけがしやすいこと, どちらがかくされるかということから, 変換後のイメージをつくりやすく, また保持しやすいことなどのためと思われる。左右の場合は, 言語的に変換を考えず, イメージだけにたよると方向性 (左8右) が保持しにくいと考えられる。 次に, 要素の数については, 課題の困離度を規定するものではないということがいえる。それに対して, 変換にかかわる次元が1次元か2次元かということは, 課題の困難度を規定するといえる。実験IIで要素2つの場合が確かめられた。また, 立体的材料を用いて行なった吟味実験でも, 要素2つと要素3つの両方の場合につき, このことが確かめられた。 1次元的課題では, 位置関係が直観的に, とらえやすいのに対し, 2次元的課題では, 同時に, 前後と左右の両方の次元についての関係を考えなくてはならないので, 直観的にはつかみにくい。年少の子どもは, 一方の関係のみ変換し, 他方の関係はそのままにして, 同時に 2つの次元の関係を調整できない。これは, 分類や, 系列化の課題において, 1次元的課題と2次元的課題との間に見られるずれと同様に考えられるであろう。 子どもの反応から, これらの条件下での, 年令的発達をみると, 1次元的変換は, 小4 (9~10才) 2次元的変換は, 小6 (11~12才) でほとんどが可能になるといえよう。 一方, 課題の与えかたのちがいという点からは次のことがみられた。実験1で要素3つカード選択課題では, 正反応は180。90。, 2700であり, 構成とは逆の傾向を示したが, 偽カードを入れた課題の結果は, 180。が 90゜, 270゜より正反応が多くはならなかった。誤反応に, 左右逆になっている偽カードを選択した者が多いことから, カード選択課題では一方の次元のみを考えて反応していたと考えられる。要素2つでは, 課題のちがいによる差はほとんどなかったが, 8つのときには, 地点からの光景を考えるか, ある光景から, そのように見える地点がどこかを考えるかでは, 後者の方が正反応数が多く, また, 各地点間の正反応数の差は小さかった。このような, 変換の理解を考えていくときには, 課題がどのように与えられるかということは, 常に考慮されねばならないといえよう。 このような, 位置関係の変換の理解と, 経験との関係について実験1, IIで検討された。ここでの経験後の課題は, 経験したものと同材料で, 同配置であるので, かなり記憶に依存してできる課題であるにもかかわらず, 43%のものが経験の効果がないということは, 位置関係の変換が, 単に1度見たくらいの経験でできるものではないことを示しているといえよう。実験Iでみられたように, 5才児では, それまで自分の視点として, 長い間見たり構成して見なれている場合についてさえも, そこを離れた直後に他の地点に坐ってそれまで坐っていた地点からの見えを正しく構成することが, ほとんどできなかった。 空間関係の変換が, 単に経験したことによって学習されるようになるのは, 子どもの空間的な体系がある程度構造化されてからと考えられる。Smedslund, J.(1963) の水面の水平性の実験においても, 経験効果があったのは, 経験前に, 操作のきざしを示していたもののみに限られていたこともその証左とみてよかろう。

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