小学校5年生248名の児童のうちから, テスト不安の高い者男女各14名, テスト不安の低い者男女各14名を選び, さらに各群を2つにわけて, 1つの群には高い動機づけを, 他の群には低い動機づけを与えて, 記銘学習を行なわせた。 その結果は次のようであった。 1動機づけの高・低の効果は, 高テスト不安群では男女ともみられず, 低テスト不安群でのみ, 動機づけが高い方が正反応率が高かった。この動機づけの効果は女子が男子より大きかった。 2テスト不安の高い群と低い群では, 動機づけの低い場合は両群の正反応率に有意な差はなかった。動機づけの高い場合は男子では両群に有意な差はないが, 女子ではテスト不安の低い群の方が高い群より有意に成績がよい。 3テスト不安が高く動機づけの高い群および低い群, テスト不安が低く動機づけの高い群および低い群の群のすべてについて, 各群内の男女差はみられなかった。 以上のことからテスト不安は学習に妨害的に働くと考えられた。