1. 中学生群の前途展望は, 大学生群のそれよりも分散が大で, 主観的展望の傾向が強いように思われる。そこで青年前期から後期にかけて情緒の成熟を仮定できる。 2. 現在の自己認知と時間判断の広がりとは関連がある。 3. 近い将来の問題, 自分に関する問題は。中学生では想像率が高く, 分散が小であり, 大学生とあまり差がない。 4. 希望的カテゴリーはより近い将来に判断される傾向がある。しかし大学生ではそのなかでも, 社会に関する問題は, その逆になる。 5. 時間問題判断の傾向および広がりに, 性差, 年令がみとめられる。 6. 時間判断と性格との関係は, この研究では明りようでない。 問題点として次のことがあげられる。 1. 項目の選びかた, カテゴリーの作りかたに問題がある。 2. 結果の数値, たとえば時間段階を示す数字などはさらに工夫が必要 3. 時間段階の区分のしかたもおおまかすぎた。 4. おおまかで概略的な研究なので, 今後こまかく問題を限定して研究する必要がある。