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文章基本信息

  • 标题:認知的観察に海けるメディエーターの役割 位置関係の変換の場合
  • 作者:木下 芳子
  • 期刊名称:教育心理学研究
  • 印刷版ISSN:0021-5015
  • 电子版ISSN:2186-3075
  • 出版年度:1971
  • 卷号:19
  • 期号:4
  • 页码:193-201
  • DOI:10.5926/jjep1953.19.4_193
  • 出版社:The Japanese Association of Educational Psychology
  • 摘要:

    本論文では, 空間表象の形成において, 認知的観察が有効となる時の先行条件を, 位置関係の変換, 特に左右の逆転変換の場合を中心に分析しようとした。 被験者は事前テストで左右についてのメディェーターの所有の有無によって次の4群に分けられた。言語的メディェーターおよび非言語的メディェーターの両方を所有するもの, 言語的メディェーターのみを所有するもの, 非言語的メディェーターのみを所有するもの, メディェーターを両方とも所有しないもの。被験者は, 左右逆転の変換, 左右関係から前後関係への変換について, 各4回予測と確かめ (観察) を行なった後, 1日おいて事後テストを受けた。 結果は, 左右逆転の変換の観察効果は, 左右の言語的メディェーターおよび非言語的メディェーターの両方を所有している時もっとも高いこと, 非言語的メディェーターのみを所有している時がそれに次ぎ, 言語的メディェーターの所有は, それだけでは観察を効果的にするのに十分でないことを示した。しかし, 言語的メディェーターのみ所有している場合でも, 教示によって左右の次元への注意を喚起すれば, 左右次元への言及がない場合よりも, 観察効果が高められることが示唆された。 最後に, 本研究の意義をあげ, 残された問題点を考えてみよう。意義としては, 第1に, 本研究では, これまで中間段階という用語を用いることによって, あいまいに記述されていたものを, 左右の情報をコードするメディェーターの有無ということに翻訳したことがあげられよう。これまで多く, 同一課題への正答数から量的に発達段階が記述されてきたが, ある発達段階と次の発達段階とを区別するものは何かを, 操作の形で明らかにしていくことが必要とされよう。そうすることによってはじめて, 現在ある段階にある子どもに, 何を与え, どのように働きかけたら次の段階へとひきあげることができるかを考えていくことができるのである。 第2に, 観察効果を規定する先行条件として, 非言語的メディェーターの優位性が示されたことがあげられる。これまで, 概念形成の分野においては, 多くの研究が, 言語的メディェーターをもつことの効果を明らかにしている。その際, 言語的メディェーターは, 多くの不適切情報の中から, 適切情報をきわだたせる役割を果たしていると考えられた。このことは本研究においても当てはまり, 第2実験で, 左右の次元への言及がある場合には, 言語的メディェーターをもつことの有効性が示唆された。しかし, 教示者に左右の次元への言及がなされない場合には, 言語的メディェーターのみでは, 十分にその機能を果たし得ず, 種々の情報の中から, 左右の次元の情報を分化してとらえる何らかのメディェーター (非言語的) が必要であることが考えられた。 ここで, 非言語的メディェーターの有無という時, 操作的には次の方法でとり出した。すなわち, 2つの物体がそれぞれ左右の位置, 前後の位置, 色の三次元で変化する刺激カードを用いて概念学習事態で, 左右の次元を適切次元とした課題に正反応したものを, 非言語的メディェーターを所有するものと考えた。それは, その過程として, いくつかの手がかり次元の中から, 左右関係の次元の情報を自発的にとり出し利用することを仮定している。そのためには, 左右の情報を分化してとらえる何らかの枠組み (メディェーター) をもつことが必要であろうと考える。 では, 非表語的メディェーターを使用できるようにするためにはどのようにしたらよいだろうか。自発的に左右の手がかりを使用することができない場合には, 次の 2つの場合が考えられよう。1つは, 子どもの中で左右が分化しているにもかかわらず, 左右の手がかりに注目しない場合である。左右のラベルは正しく使い分けられるのに, 実験者に指摘されないと左右のちがいに気づかない反応例がこれにあげられよう。この場合には, 左右の手がかりに注目する訓練をすることによって, 左右の手がかりを使いやすくすることが考えられる。特に indicatorなどを用いて, 左右の手がかりを他のそれよりもドミナントな手がかりにしていくことや, 不適切な手がかりを減らすことによって, 左右の手がかりに注目させることも考えられる。 第2の場合としては, そもそも左右というconstruct 自体が欠けていることが考えられる。子どもの反応例の中には, 自分の予測し構成したものと現在のみえとが左右逆になっているにもかかわらず, 同一だと主張するものがあったが, この場合の例といえよう。この場合には, 左右を構成する方法が考えられねばならない。被験者のほとんどは前後の座標は既にもっているのであるから, 前後に直交する軸としての左右をどのようにして教えたらよいか, 考えられねばならない。これは, 今後の重要な課題である。 本実験では, 1. 左右逆転変換のテスト課題への反応の安定性の吟味, 2. 観察事態が非拘束であることに基づく統制の問題, 3. 効果の転移を見る課題の構造性など, さらに改善さるべき点が残されているが, 以上の意義と問題点をふまえて今後の研究を進めたい。

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