3, 6, 9, 12, 18か月児の新奇刺激に対する視覚と手操作行動の分析から, 次の結果が得られた。 (1) 6~18か月児において, 新奇刺激 (第1, 4試行) は, 短期なじみ刺激や, 時間をおいて再呈示したなじみ刺激に比べて, 顕著に多くの注視をもたらした。3か月児では, 第4試行での注視の増大がみられなかった。 (2) 新奇刺激がなじみになる過程の減少量は, 後続の新奇刺激への反応量と直接関係せず, 特に9か月児において, 前者が少ないのに後者が大きかった。 (3) 持続時間測度では, 6か月児においても新奇刺激への増大という観点で, 視覚と手操作との反応の一致がみられた。また潜時の測度では, 月齢差も条件差もみられなかった。以上の点で, Schafferらの所見と異なっていた。 (4) 3か月児では, 1回あたりの注視が長く, 1試行に占める注視の%が大きく, 手の活動の%が小さかった。6か月児では, 1回あたりの注視が短く, 注視の%が小さく, 手操作の%が大きかった。9~18か月児では, 1 回あたりの注視が長く, 注視の%が大きく, 手操作の% も大きかった。