本論文は, 類同視の実験条件下において, 図形と文字について比較検討することにより方向性について一層の吟味を試みたものである。 (1) 逆位関係図形 (文字) の中で幼児は, 180度図形 (文字), 上下軽倒図形 (文字) よりも, 鏡映図形 (文字) を圧倒的に類同重視する。 (2) 鏡映図形 (文字) は, 5歳から8歳にかけて急速に類同軽視され, これに反して45度図形 (文字) は, 5 歳から8歳にかけて急速に類同重視される。 (3) これらの両方位における類同視の重みの転換は, 図形では8歳に, 文字では7歳に認められ, 文字の方が1年早期に出現する。