“前 (後)”という位置関係をあらわす語の理解を, それを検証する絵内に成立している人物間の向き合いの型との関係で調べた。実験1では,“前”の理解が向き合いの型によって異なり, その分化の程度は発達的 (小4, 小6, 中3) に増大することがわかった。実験IIでは, Ertelの実験の絵材料に向き合いを導入して行った。その結果, 文内の人物と絵内の向き合いとの間に相互作用が得られ, Ertelの説明は絵内の人物間の向き合いを考慮しなければ十分ではないことがわかった。