本研究の目的は, 抽象物の玩具が与えれた場合の幼児 (4, 6歳児) の遊び活動におよぼす情報の種類 (命名・物語, 命名) の効果を, 発達的に検討することである。主要な結果は以下の通りである。 1. 情報は幼児の象徴遊びを増加させ, その傾向は年長児の方が年少児よりも大であった。 2. 玩具をみたてて使う傾向は年長児の方が年少児よりも大であった。 3. 命名・物語情報はその内容と一致する活動を多く生起させ, 命名情報はその情報を独創的に展開させる自発的象徴遊びを多く生起させた。また, これらの傾向は年長児の方が年少児よりも大であった。 付記本研究ならびに本論文作成にあたって御指導・御援助下さった山口大学利島保助教授に心からお礼を申し上げます。