Schlesinger (1971a, 1971b) の提出した発話文法を検討するために, 2つの研究が行われた。第1の研究 (研究I) では, 2歳1月から2歳8月までの一人の男児の連語が分析され, 次のようなことが明らかになった。語順の一般的傾向はSchlesingerの文法を支持していなかったが, ある動詞ではその動詞独自の語1順が認められた。第2の研究 (研究II) では, 2歳5月から3歳9月までの, 5人の子供の発話が分析され, 次の点が明らかになった。5人の子供の総合的な語順傾向はSchlesinger の文法を支持していたが, 個々の子供の結果は, 必ずしもSchlesingerの文法を支持していなかった。