本研究では, スペイン語の単語の習得にキーワード法が有効であるかどうかを検討した。学習材料は, キーワードを連想しやすい高連想語10語, 低連想語10語, 合計 20語のスペイン語単語であった。キーワードと反応語をイメージによって媒介するイメージ化群, 文章によって媒介する文章化群, 自由に学習する統制群の3群を設け, 3試行の習得試行の後, 1週間後に保持テストを行った。その結果, 習得試行では3群間に差がみられなかったが, 保持テストでは, イメージ化群も文章化群もともに統制群より成績がよかった。以上の結果から, キーワード法は, 必ずしもイメージによる媒介だけではなく, 文章など言語的媒介を用いても有効であることが確証された。