本研究の目的は, スクールカウンセラー (SC) 自身のSC制度に対する評価を明らかにし, さらにその SC活動と学校要因との関連を検討することである。86人のSCを対象に, 以下の内容からなる質問紙が実施された。(1) SCの5つの役割とガイドライン (村山ら, 1997) 遂行度に関する尺度,(2) SC活動への評価。(3) SCとしての活動に対する満足度,(4) 教師との情報交換の方法,(5) 学校要因に関する質問。主な結果は以下の通りである。(1) 教師との連携に関する役割遂行のSC群の評価は肯定的で, ガイドラインに対しても遂行できていると認知する傾向にあった。(2) 学校要因 (たとえば, 教師の意欲や学校の受け入れ体制) を評価するSCは, 自分自身のSC活動に対する満足度 (とりわけ, 教師や保護者対象のコンサルテーションや研修への満足度) も高かった。SCの活動内容が, 学校側の要因によって左右されるという可能性が示唆された。