アジア系留学生の専門的ヘルパーに対する被援助志向性に関連する社会・心理学的変数を抽出するために, 質問紙調査が実施された。国立大学に在籍する韓国, 中国, 台湾のアジア系在日留学生を対象に調査を行い, 264票の質問紙が回収された。学習・研究, 心身健康, 対人関係, 住居・経済領域の被援助志向性が尋ねられた。分析の結果, 学習・研究領域の被援助志向性には留学生専門的ヘルパーからのサポート経験が有意な関連を示した。心身健康領域では, ヘルパーの呼応性への心配が負の関連, 留学生専門的ヘルパーからのサポート経験が正の関連を示した。対人関係領域においては, 女性であることが正の関連, ヘルパーの呼応性への心配が負の関連, 留学生専門的ヘルパーからのサポート経験が正の関連を示した。最後の住居・経済領域では, 女性であることが正の関連, 配偶者と同居している留学生が負の関連, ヘルパーの呼応性への心配が負の関連, 留学生専門的ヘルパーからのサポート経験が正の関連を示した。研究成果の留学生援助への応用が検討された。