本研究の目的は, 文章の準備書きにおいて, 図的な外的表象である階層的概念地図を利用する効果を検討することである。この時, 文的な外的表象である箇条書きを利用する群および, 準備書きを作成せず, 知識語り方略で文章を書く群と比較することで, 文章生成のプランニングにおける外的表象の働きについて検討した。更に, 準備書きに表現された因果関係が, 文章生成に与える影響を調べた。準備書きにおいて外的表象を利用した2つの群の文章は, 準備書きを作成しない群のそれよりも, 量も多く, 質的にも優れていた。準備書きを作成する2つの群を比較したところ, 図的な外的表象を準備書きとして利用する概念地図群の被験者は, 箇条書き群の被験]者に比べ, より分かりやすい文章をより短時間で書くことができていた。