本研究では, 情動のモニタリング操作による学習への影響を明らかにすることを目的とした。情動制御過程から「情動制御のスムーズさ」と「情動制御レパートリー」の2つの側面をとりあげ, 学習に集中できない子どもを対象に介入を行った。その結果, モニタリング操作を導入することで, 情動制御のスムーズさおよび情動制御レパートリー数に変化が見られた。また, 操作導入後の方が喚起された情動に伴う学習行動の予測やそれに対する評価が正確になった。最後に, 残された課題について考察を行った。