本研究は, ソーシャル・サポートの送り手としての母親と, 受け手としての中学生の間のサポート知覚の一致について検討した。首都圏に住む中学生とその母親542名を対象に質問紙調査を実施した。9つのサポート場面を項目として用意し, それぞれに対してサポートの有無を尋ねた。一致率を算出したところ, 母子ともにサポートを知覚するペアの割合は場面による変動が大きいが, ともにサポートがないと知覚するペアを加えると, 場面差が小さくなった。また, 概して, 母-娘ペアの方が母-息子ペアよりも高い一致率を示した。不一致については, 母 (送り手) のみがサポートを知覚する場合の方が, 子ども (受け手) のみがサポートを知覚する場合よりも多かった。子どもの母親満足度は, サポート知覚が一致しているか否かによって違いはなく, 子どもが母親のサポートを知覚していることによって強められていた。