本研究の目的は, コンピュータを利用したキャリア・ガイダンス・システム (CACGs) が, 日本の若者に適用できるかどうかについて,「職業適性診断システム」のプロトタイプ版を用いて検討することである。また, システムを有効に活用するための条件と, 利用者の進路準備度がシステムの評価に及ぼす影響についても検討する。被験者は大学生56名であった。まず, 各学生に進路準備度を尋ねる質問紙に回答させた。その後, システムを利用させ, システムに関する感想と満足度を評価させた。システムの各機能の利用順序と所要時間も分析された。各機能の利用順序と所要時間は予想通りであった。進路準備度にかかわらず, 多くの学生がシステムについての高い満足度と関心を記述した。進路準備度が高い学生は, 適性診断機能を重視した。他方, 準備度が低い学生は職業情報提供機能に関して様々な要望を記述していた。