本論文は, 概念受容学習によって獲得された知識の一般化可能性がルール教授セッションで用いられた事例によって影響されるという現象 (事例効果) を説明する新たな要因として, 学習者による教示情報の「解釈」を取り上げ, 検討したものである。大学生93名を対象に, チューリップを事例として「種子植物」に関するルールを教授するセッションの後, 教示情報の解釈ならびに獲得された概念的知識の一般化を調べる課題を課した。その結果, 全体として概念的知識の一般化が事例およびその類似例に限定される傾向が確認された。さらに, ルールのような一般性を持つ情報が教示情報に含まれていないと解釈する被験者が約半数を占めること, それらの被験者は獲得した知識を一般化させない傾向の強いことが示された。これらの結果は, 概念に関するルールを明示的に教授する事態であっても, 事例にもとづく帰納学習が生じる可能性を示唆するものである。