本研究では, 不登校生徒15例に対する援助チームの実践をもとに, 次のことを明らかにすることを目的とした。(1) 保護者を含む援助チームの実践モデルを提案し有用性を検討する。ただし, 有用性とは援助チームにより援助が促進されることを意味する (2) 保護者の状況に応じた援助チームの実践例について, その形態を分類し, その特徴や実践に当たっての問題点を分析・検討する。実践の結果, 援助チームは次の4タイプに分類された。タイプ1 (典型例)...担任・保護者・スクールカウンセラーの3者で相互コンサルテーションを行う。タイプ2...担任・スクールカウンセラーの2者が相互コンサルテーションを行いながら, それぞれ保護者ヘコンサルテーションを行う。タイプ3...担任がスクールカウンセラーと相互コンサルテーションを行いながら, 担任が保護者ヘコンサルテーションを行う。タイプ4...スクールカウンセラーが担任と相互コンサルテーションを行いながら, スクールカウンセラーが保護者ヘコンサルテーションを行い, 同時にカウンセリングも行う。このように, 担任・保護者・スクールカウンセラーが, 核 (コア) となって援助を主導し, 相互コンサルテーションおよびコンサルテーションを行い, 子どもへ援助する形態を“コア援助チーム”と定義し, 学校教育においてチーム援助のモデルのひとつとして意義があることを示唆した。