コミュニケーションが苦手で不登校傾向のある児童を持つ小学校教師に対して, スクールカウンセラーによる行動コンサルテーションを行った。行動コンサルテーションでは, スクールカウンセラーは教師とともに対象児童への援助に関する具体的な目標を設定し, さらにその目標を達成するための教師の適切な援助行動に対してインストラクションやフィードバックといった介入を行った。その結果, 対象児童のコミュニケーションに対する教師の援助行動が増加し, 対象児童の自発的なコミュニケーション行動や, 積極的・主張的なかかわりに関する社会的スキルの増加が示された。このようなデータに基づいた行動コンサルテーションを実施したことによって, 教師やスクールカウンセラーが児童生徒の状況を客観的に把握することができるだけでなく, 自らの援助をふりかえることが可能となった。