構造方程式モデリングを用いた一対比較型EQ検査の反応歪曲に対する耐性の確認, ならびに標準化が試みられる。実験1では一対比較型EQ検査の反応歪曲への耐性を検討するために, 140名の被験者に対して一対比較型EQ検査と, 同一項目で構成されたリッカート測定法によるEQ検査が, 選抜的評価場面, 非選抜的評価場面の2場面を想定して実施された。その結果, 一対比較型EQ検査は測定場面にかかわらず, 標準偏差, 効果量, 収束的妥当性の観点からリッカート測定法よりも反応歪曲に耐性を持っていることが確認された。実験2では一対比較型EQ検査のスコアリングを安定させる為, 新たに用意された383名の被験者のデータを実験1の被験者のデータに加えて計算を行った。また代替検査の開発の為にテストを20パタンに折半し, 10パタンそれぞれで尺度間相関を求めた。その結果併存的妥当性の観点から支持される代替テストが得られた。