本研究では, 学校現場において行われている授業実践がどのような特徴を有しているのかを明らかにする目的から, 小学校1年から6年までの国語の授業, 全54授業を対象に, 教師発話・児童発話のカテゴリー分析を行った。同一クラスにおける授業日別の教師発話の相関分析を行った結果, 全てのクラスにおいて非常に高い相関を示した。同等性の検定の結果, クラス内の相関において有意差は見られなかった。このことから, 教師の授業の安定性とともに, 教師の持っている教授方略が教師の内面においてかなり固定化されていることが示唆された。教師の発話カテゴリーをもとに行ったクラスター分析の結果, 教師の発話は受け持つ学年によらず, 教師個人の教授スタイルによって分類されることが明らかになった。児童の発話カテゴリーをもとに行ったクラスター分析の結果, 児童の発話は学年の変化による分類の可能性が示唆された。