豊田・川端・松下 (2005) の拡張モデルとして, 社会的望ましさに関する個人差であるf0を導入し, かつ尺度を構成する項目のタウ等価測定の制約を外したモデルを考案した。予備調査で作成された8つのコンピテンシー尺度を用いて一対比較検査を構成し, これをA・Bの2検査に折半し標準検査を作成した。400名の被験者に対して両検査を実施した結果, 検査の信頼性・妥当性が確認された。妥当性研究では標準化検査の反応歪曲への耐性を検討するために, 新測定法とリッカート法による検査が, 選抜的評価場面, 非選抜的評価場面の2場面を想定して, 199名の被験者に対して実施された。その結果, 新測定法は評価場面にかかわらずリッカート法よりも反応歪曲に耐性を持っていることが確認された。