本研究は, 大学生におけるソーシャル・サポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連について検討した。まず, 性役割の観点より, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源が恋愛パートナーに限定される者は女性より男性に多いという予測1について検討した。恋愛関係にある大学生146名を対象に友人 (同性/異性), 恋人, 家族 (同性/異性) から提供されたサポート (情緒的/道具的) について尋ねた。その結果, 予測1は概ね支持された。次に, 現在, 恋愛関係にない大学生132名を対象に恋愛関係崩壊時の情緒的サポート源が多い者ほど, 立ち直り評価が高いという予測2について検討した。各関係からのサポート (予測1の検討と同様), 恋愛関係崩壊時のショック度, 恋愛関係崩壊からの立ち直り過程の経験及び立ち直り評価などの項目について回答を求めた。サポート形態は, 情緒的サポート源が多様である多様型, 情緒的サポート源が同性友人に限定される同性友人型, サポート低型に分類された。予測2は概ね支持され, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源を恋愛パートナーに限定することが, 立ち直り評価の低さにつながる可能性が論じられた。