課題解決集団における遂行能率 (解決所要時間で測定) と成員満足感におよぼすコミュニケーション構造の効果を検討するにあたって, コミュニケーション構造特性要因と課題特性要因との交互作用が存在するとともに, 課題特性の如何を超えて構造特性が何らかの主効果を有するかという点について実験的検証を行なった。構造要因としてwheel, circle, comconの3水準, 課題要因として単純課題と複雑課題の2水準による2要因実験を, G.S.A. 装置を用いて行ない, 解決所要時間, 通信量, 成員満足感を測定した。 結果は解決能率については, 単純課題では速い順に1) wheel 2) comcon 3) circle, 複雑課題では逆に1) circle 2) comcon 3) wheelの順であり, 両要因の交互作用の傾向 (. 10>P>. 05) がみられたが, 主効果については課題要因の主効果が有意である (P<. 05) のみで, 構造条件の主効果は見られなかった。この点は効果的な構造は課題特性の如何によって変化するという従来の研究と一致したものであった。満足感についてはwheelでは単純課題の方が複雑課題より高い満足感を示すが, circleでは複雑課題の方が単純課題より高く, この交互作用は有意 (P<. 05) であるとともに, 構造条件の主効果が有意であって (P<. 01), 複雑課題, 単純課題を通じてcircleの方がwheelより満足感は高い。このことは構造条件の効果性について論ずるとき, 解決能率に対しては従来の研究においてもいわれてきたように必ずしも一義的な効果性は存在しないのに対し, 満足感に対しては一貫した効果性をもつことを示唆している。なお, comcon構造はwheelとcircleの中間的結果を示した。