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  • 标题:食質と寒暑馴化
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  • 作者:吉村 学
  • 期刊名称:日本栄養・食糧学会誌
  • 印刷版ISSN:0287-3516
  • 电子版ISSN:1883-2849
  • 出版年度:1969
  • 卷号:22
  • 期号:6
  • 页码:394-401
  • DOI:10.4327/jsnfs1949.22.394
  • 出版社:Japanese Society of Nutrition and Food Science
  • 摘要:日本人基礎代謝の季節変動に影響を及ぼす要因の分析に於て, 京都在住カナダ人が四季にわたって恒常な基礎代謝を示し, かつ彼らの脂質食摂取が多く, 並びに甲状腺機能が高いことより, 彼らの基礎代謝の季節変動のない理由はこの高脂質食の甲状腺機能に及ぼす影響によると推論した。 よってこのような食質の代謝に及ぼす影響を検討する為にラットを用いて高脂質食, 高糖質食, 高蛋白質食等の種々の飼料を与えて, 高温, 低温または常温にて飼育してその甲状腺機能および安静時代謝量等を測定比較して次のような成績を得た。 1) 高脂質食, 高糖質食並びに高蛋白質を与えて高温 (32±2℃) または低温 (5±2.5℃) に約6週間馴化せしめて, 食質の甲状腺機能に及ぼす影響を見ると, 高脂質食ラットは高温, 低温馴化時の何れに於ても他の食質群に比べて高い甲状腺のヨード摂取能並びに高い甲状腺相対重量を示している。 特に低温に馴化したラットにおいては高脂肪食群の甲状腺機能亢進は顕著となる傾向があった。 一方高温に馴化した高糖質群の甲状腺重量は顕著に低下し, かつ全般的に低温馴化群よりもその甲状腺機能の低下の傾向を示している。 2) 高温馴化したラットの安静時酸素消費量を常温対照群と比較した場合, 高温馴化群は対照馴化群に比べて低下するが, その低下率は高糖質食群に於て著明であるのに対し, 脂質食群においては著明でない。 また常温飼育ラットに於て高脂質食群の安静時酸素消費量は高糖質食群に比べて高い値を呈している。 3) propyl-thiouracilを投与して甲状腺腫を作った場合でも, 高脂質ラットは高糖質ラットに比べて高いヨード摂取能並びに高いPB131I転換率を示すが, 下垂体を摘出するとこのような食質による甲状腺機能の差は消失する。 4) これらの結果により, 高温に馴化した場合の安静時酸素消費量の低下は甲状腺機能の低下に関係し, 高糖質食に於てこの低下が著明であるのに対し, 高脂質食では一般に甲状腺機能が亢進し, 高温馴化時の酸素消費量もその低下が抑えられる。 基礎代謝の季節変動に対する日本人と欧米人との差の大きな要因は, 前者が高糖質食をとり, 後者が高脂質食をとるところにあるのであろう。 5) 高脂質食の甲状腺への影響は腺の増殖並びにヨード摂取能を亢進させるように働いている。 よってこれと先の (3) の結果を考え合わせると甲状腺機能に及ぼす食質の影響は恐らく下垂体のTSHを介して現われるものと推測せられる。 6) 以上の結果と従来の我々の教室で行なった一連の研究成績を総合し, 高脂質食は低温馴化を促進し, 高糖質食は高温馴化を促進すると結論した。
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