露地栽培した大型福寿2号のトマトを熟度の異なる6段階 (mature-green~red) で収穫し, 温度および光条件の異なる環境下で追熟し, そのアスコルビン酸含量の変化についてしらべた。 1) 収穫直後の総アスコルビン酸含量はbreakerからpink (熟度2~4) 程度の未熟果が樹上完熟果より高い。 2) 20℃定温追熟の場合, 一般に還元型アスコルビン酸含量は追熟中の光の有無にかかわらず樹上完熟果と差はない。 3) 20~25℃, 自然光または人工光 (10,000lx) 下で変温追熟した場合, breakerないしpink (熟度2~4) 程度で収穫し追熟したトマトは樹上完熟果より高い還元型アスコルビン酸含量を示した。 4) 25~30℃, 人工光 (6,000lx) または暗黒下で追熟させた場合, 総アスコルビン酸含量は収穫時の含量より減少するが, 収穫時の果実が未熟であるほど, その追熟に伴う減少量は少ない傾向を示した。樹上完熟果と比較すると, mature-greenとbreaker (熟度1, 2) で収穫した追熟果は樹上完熟果と同程度の総アスコルビン酸含量を示した。