左半球損傷による構成障害を行為のプランニングの障害に, 右半球損傷によるそれを視空間障害に帰着させる Hécaen ら6) や Warrington ら14) の仮説を検証するために, 通常の立方体模写と, 検者について立方体を1辺ずつ書き加えていく変法を, 頭頂葉後部病巣を有する重度構成障害21例 (左半球損傷8例, 右半球損傷13例) に施行した。左半球損傷例では, 行為のプランを設定する必要のない変法にて模写が大きく改善したが, 構成障害は完全には消失せず, 行為のプランニングの障害と視知覚の障害が同時に存在していると考えられた。一方, 右半球損傷例の改善は左半球損傷例よりも明らかに小さく, 図形知覚の障害がその構成障害の基盤にあると考えられた。