電気刺激マッピング法により前方言語野の機能局在について以下の知見が得られた。1) 脳血管障害例でみられるのと同様のアナルトリーが左中心前回下方部の刺激時に認められた。2) アナルトリーが誘発された部位のいくつかでは, 同時に仮名の錯書と漢字の字型想起障害からなる軽度の書字障害も認められた。3) Broca野の刺激ではアナルトリーは生じず, 語想起障害と軽度の漢字の書字障害がみられた。4) 第二前頭回脚部(Exnerの書字中枢)の刺激では, 書字の障害はみられず, 語想起障害が認められた。