左半側空間無視を呈した10例について,線分二等分,長さ弁別,弁別後の二等分の3つの課題を実施した。長さ弁別は,線分上に垂線を付し,その左右部分ではどちらが長いかを答える課題であり,主観的等価点は,オージィブ曲線から直線補間法を用いて算出した。弁別後二等分は,長さ弁別に引き続き線分を二等分する課題であった。 症例間で比較すると,右方偏位は,長さ弁別も弁別後二等分もそれぞれ線分二等分より小さくなった。また,症例内では,弁別後二等分は線分二等分と比べて,右方偏位が5/10例で有意に減少した。また,長さ弁別の判定内容と,弁別後二等分の調整の方向は,8/10例において一致していた。 左半側空間無視があっても,左右の長さ弁別は比較的保たれていること,弁別後に二等分を課すと,弁別に基づいた適切な調整が行われることが明らかとなった。