本研究では,外的に確認を誘導した場合に,左半側空間無視の検査成績に改善がみられるか否かを検討した。Behavioural inattention test に含まれる Conventional sub-tests を左半側空間無視患者 21名に施行し,それぞれの下位検査を遂行し終えたたびごとに赤ペンを手渡し,もう一度見直しをして,訂正があればそれで記入するようにと教示した。その結果,線分二等分検査や模写のような単一対象の左側にみられる無視については,見直しの効果は明らかではなかったが,文字ならびに星の抹消課題では,見直しを促した後に抹消数が増加する症例が有意に多く,広い範囲の空間探索を必要とする課題においては,再度の見直し,すなわち「確認」が無視の軽減を導く可能性が考えられた。左半側空間無視のリハビリテーションにおいては,確認行動の補強が,無視を軽減させる1つの手段になりうる可能性を示唆した。