本研究は数種そ菜のCA貯蔵に伴うアスコルビン酸の消長を明らかにするとともに, アスコルビン酸の変動がいかなる原因によって生ずるかをそ菜の生育段階, 炭酸ガス(CO2), 酸素ガス(O2)分圧などの点から検討を加えたものである。 1.そ菜をCA貯蔵すると, 普通冷蔵したものに比べ葉菜類ではとくに「はり」がよく, 鮮度保持効果のあることを認めた。 2.CA貯蔵に伴うアスコルビン酸の変化を調べたところ, シュンギク, ネギ, ニラなど鮮度がよく保持されているにもかかわらず還元型アスコルビン酸(ASA)はかなり減少することを認めた。とくにシュンギクではその傾向が顕著であった。 3.シュンギクのCA貯蔵に伴うASAの減少の程度は, 生育段階や貯蔵時の環境ガス濃度によって異なることが明らかになった。すなわち, より若いシュンギクほど, またCO2濃度が3%以上になるとASAの減少が著しくなることがわかった。