「国際保健」や「国際看護」のイメージは国により異なる。本研究は、2007年から2008年において、「国際保健」と「国際看護」のイメージについて、自記式質問紙調査票により検討を行った。調査票の配布は、フィジー人大学生49名、台湾人大学生85名、日本人大学生377名である。有効回答は、フィジー人大学生45名(91.8%)、台湾人大学生69名(80.0%)および日本人大学生352名(93.4%)であった。結果は次の通りである。 「国際保健」のイメージについて、「発展途上国における保健衛生」と答えた学生は、日本人看護学生の96%、日本人医学生の89%、日本人の医学部以外の4学部の学生の77%、フィジー人大学生の58%、台湾人大学生の26%であった。「国際看護」のイメージについて、「発展途上国における看護協力」と答えた学生は、日本人看護学生の92%、日本人医学生の92%、フィジー人大学生の40%、台湾人大学生の35%であった。「国際保健」と「国際看護」の主なイメージについては、フィジーと台湾の大学生は「国内在留外国人の保健衛生」と「先進国における看護技術やシステム」であった。3ヶ国の多くの大学生が「国際保健」と「国際看護」に大きな関心をもっていた。 この結果には、日本の大学生が国際情勢を知る機会が増えてきたことが影響していると考えられる。今後の国際保健に関する教育や人材育成が重要であることが示唆された。