血液型性格関連説を信じている程度が,対人認知過程において選択的確証情報の使用と確証的判断に異なった影響を及ぼす事を検討した。2つの実験において実験参加者は,刺激人物の記述を与えられ,その人物が仮定された血液型かどうか判断を求められた。両実験において,血液型性格関連説を信じる程度に関わらず,実験参加者は確証的情報をその他の情報に比べてより重要であると評定していた。一方,刺激人物の血液型の判断においては,血液型性格関連説を信じる程度により違いが見られた。血液型性格関連説を強く信じる者はそうでない者に比べ,より確証的な判断をする傾向が見られた。これらの結果は,血液型性格関連説を信じる程度が対人認知の過程の中の異なった段階で異なった形で働くという予測を支持するものであった。実験2では,血液型性格関連説についての知識が選択的確証情報の使用にどう影響するかをも検討した。