成功-失敗条件が集団過程に与える影響を測定するために, 実験室実験が行なわれた. 成功-失敗条件に加えて, リーダーのLPC得点が操作された, 被験者は女子高校生140名. 原則として4名ずつの小集団. 青年が比較的よく遭遇すると思われる, 問題行動を解決するための集団討議 (各事例は10分間で討議) が集団に課せられた. 第三者による評価 (実験実施に先立ってすでに定められている) によって, 成功-失敗条件が操作された. 集団過程に関するさまざまな指標は, 討議終了直後の質問紙調査によって測定された. 主要な結果は次のとおり. 1. 高LPCリーダーに導かれた集団成員は成功条件においては集団雰囲気を高く評価し, 失敗条件においては低く評価する. しかし, 低LPCリーダーに導かれた集団成員は成功条件と失敗条件では, むしろ逆に, 失敗条件のときわずかながら集団雰囲気を高く評価する. 2. 失敗条件よりも成功条件において一般に集団凝集性は高い. また高LPCリーダーに導かれた集団の凝集性は低LPCリーダーに導かれたそれよりも高い傾向にある. 3. 高LPCリーダーに導かれた集団成員は情報に対する満足度が成功条件において高く, 失敗条件において低い. しかし, 低LPCリーダーに導かれた集団成員は, むしろ逆に, 成功条件よりも失敗条件において, 情報に対する満足度はやや高い. 4. 高LPCリーダーに導かれた集団成員は成功条件よりも失敗条件において, 「より多くの情報があったならば, もっとよい解決ができた」 と反応する割合が多いのに対し, 低LPCリーダーに導かれた集団成員はこれと逆の傾向を示す.