Festinger, L. の社会的比較過程の理論と, リーダーシップに関する従来の研究結果をもとに, 資源の大きさの類似した二者関係においては高い情緒的魅力にもとづく関係が相対的に多くみられるが, また資源の大きさの類似性が低くても, 資源優位者の配慮的行動が劣位者に認知されているような関係には, 高い情緒的魅力にもとづく関係が相対的に多いだろうとの仮説がたてられた. 中学生を被験者とした調査の結果は仮説を支持する資料が得られた. その結果にもとづき, 配慮性の機能, 社会的比較過程の理論が検討され, また, 学級集団の対人関係の構造についての教師の学習指導のもつ影響などについての今後の研究の方向が考察された.