本研究は, 知覚・運動学習におけるパフォーマンス曲線の型とPM式指導条件効果との関係を因子分析法を用いて解析したものである. とくに, 学習曲線の試行についての因子を初期・中期・後期の努力因子という3つにわけてPM指導条件効果を検討した. 課題は逆ひらがなの模写課題, 休止時間は10分, 休止前試行40試行, 休止後試行5試行 (いずれも1試行30秒). 作業は連続集中作業. 被験者は女子高校生. PM式指導条件は, PM, P, Mそしてpmの4条件である. 結果を要約すると次の通りである. 1. パフォーマンスについてPM式指導条件と試行の間に次のような有意差がみいだされた. すなわち, 比較的初期の試行でのパフォーマンスは, P型が最も高い傾向にあり, 中期の試行では指導条件間に有意差がなく, 後期の試行, 特に休止後の試行ではPM型>M型=pm型, P型>M型であった. 2. 試行間の相関行列に基づいて因子分析し, 軸の回転を行なった結果, 初期努力の因子, 中期努力の因子, 後期努力の因子という3因子が見いだされた. また, 被験者の因子得点は, 初期努力の因子得点でP型が最も高く, 中期努力の因子得点では指導条件間に差がみられず, 後期努力の因子得点ではPM型が最も高かった. 3. 3つの因子得点プロフィールについて, Cattellのγp係数を被験者間について求め, 被験者のパフォーマンス曲線の型を分類した結果, 次のことがみいだされた. 各試行とも平均以下のパフォーマンスを示す者は, PM型とP型よりもM型とpm型に多かった. また, 各試行とも平均以上パフォーマンスを示す者のうち, 後期試行において初期試行よりも上昇を示す型はPM型に多く, 後期試行において初期試行よりも下降を示す型はP型に多かった. これらの結果より仮説1, 2は全て検証された。