本研究は友人によるサポート供与と評価懸念が生理的, 認知的, および行動的なストレス反応に及ぼす効果を実験的に検討することを目的とした。2 (友人サポートの有無) ×2 (評価懸念の有無) の要因計画で, 被験者は大学生79名。彼らはそれぞれ親しい友人と実験に参加した。サポート供与条件では, 友人は被験者がアナグラム課題を遂行している間, 自発的にそして被験者の要請に応じてサポートを供与した。他方, サポートなしの条件では, 友人はサポートを一切供与しなかった。評価懸念ありの条件では, 友人は被験者が課題を遂行する状況を観察することができた。従属変数としてのストレス反応は, 平均血圧 (MBP), 認知的干渉, および課題正答数で測定された。 その結果, 評価懸念あり条件ではサポート供与の有無の条件間に差はなかったが, 評価懸念なし条件ではサポート供与あり条件の方がなし条件よりMBPが有意に低いことが認められた。したがって, 評価懸念をもたらさない友人のサポート供与はストレスを緩和する効果をもつことが指摘された。