本特集「過疎地域の活性化-グループ・ダイナミックスと土木計画学の出会い」の導入論文として, まず, 過疎問題の性質が基本的に変化したこと, 具体的には, 1960年代の「貧しさの中の過疎」問題が, 1970年代後半以降, 「豊かさの中の過疎」問題に変化したこと, したがって, 現在の過疎問題は, 極めてグループ・ダイナミックス的問題であることを指摘した。次に, 行政統計に基づき, 過疎問題の現状を簡単に紹介した。さらに, 過疎地域活性化というテーマにアプローチする上で, グループ・ダイナミックスと土木計画学の学際的研究が必要であることを述べ, 両者の過疎問題に対するパースペクティヴを論じた。最後に, 本特集の2つの論文の基本概念が, 相互に翻訳可能であることを論じた。